限られた営業・CSリソースの中で、少数精鋭でも成果を出せる体制構築が急務だった
従来のオンボーディングは属人化・ハイタッチ型で、セルフ対応できる顧客向けのわかりやすいコンテンツが不足していた
コンテンツの活用状況を可視化・改善するためのトラッキング体制の構築が必要だった
セルフオンボーディング施策において、導入3か月後に、初期設定後の初回活用完了率(*1)が82.2%に達し、事業部としてセルフオンボーディングの目標達成を実現した (*1:「freee業務委託管理上」で、フリーランスとの契約・発注・請求・支払の一連の流れを完了させた割合)
従来はフリー社のCSが対応していた企業ユーザーフリーランス向けの個別説明会を、PLAINERの導入によって顧客社内で完結できるようになり、1回あたり6最大120分かかっていた説明業務の大幅な削減に繋がった
PLAINERの機能によって、アップデートにおける表示変更や機能削除に伴うツールメンテナンス工数を、ノーコードで非表示にすることにより大幅削減することに成功
近森様:弊社では、お客様が新しいプロダクトを使い始める際のオンボーディングにおいて、大きく三つの課題を抱えていました。
一つは、営業やCSの生産性です。限られた人員の中で高い成果を出すには、人的対応に頼らず、誰でも使えるコンテンツを用いた効率的な仕組み作りが必要でした。
二つ目は、オンボーディング時のfreee業務委託管理レクチャーです。生産性向上のために、限られたリソースの中でコンテンツ活用を進める方向性は決まっていましたが、レクチャーのプロセスが人的なオペレーションに依存しており、お客様への案内の品質を維持しながらコンテンツ化するのが難しい状況でした。
三つ目は、データのトラッキングです。新しい取り組みを手探りで行っていく中で、PDCAを回していくことは必須でした。そのためには簡単にデータをトラッキングして次の取り組みを活かせる方法が必要でした。
また、セルフオンボーディング自体が初めての取り組みであったため、実際に利用してもらえるかどうかの確信が持てず、効果測定の目標設定も困難でした。
近森様:きっかけは社内のメンバーから紹介されたことです。
PLAINERを用いることで、顧客が実際に操作できるデモコンテンツを簡単に作れます。このデモコンテンツは、私達の属人化された業務を効率化させるツールであると感じることができました。
また、複数のデモコンテンツを1ページセクション分けすることができる「シナリオ機能」が使えることも決め手の一つです。「freee業務委託管理」はフリーランスとの契約・発注・請求・支払の一連の流れを管理するサービスです。そのため各機能単一の体験ではお客様がサービスを理解することが難しく、各体験を1ページでセクション分けできる「シナリオ機能」に大きな魅力を感じました。
実際にご活用中の「freee業務委託管理」のシナリオページ(各活用パートにおけるデモコンテンツが左のタブでセクション分けされている)
このようなコンテンツを作成するツールは作成の容易さや編集・アップデートのしやすさが肝心だと考えており、
実際に「本当に簡単に作れるのか?」という懸念もありましたが、導入前にPLAINER自身のデモを体験したことで、「これなら現場でも十分運用できる」と手応えを感じました。予算面でも問題なく導入を進められました。
インタビューを受ける近森様
谷本様:現在、PLAINERは主にセルフオンボーディングの促進に活用しています。具体的には、「freee業務委託管理」を契約したお客様に対し、PLAINERで作成したシナリオ形式のデモを配布しています。 デモは大きく分けて2種類あります。
1つはサービスを提供する企業様向けの画面、もう1つは企業様と取引するフリーランスの方々向けの画面です。それぞれのデモのゴールは、お客様が基本的な設定を完了し、すぐにサービスを使い始められる状態になることです。
フリーランスの方々には、企業様との取引を開始するためにどのような操作が必要かを理解してもらうことを目的としています。 デモの配布は、アカウント発行時のメールや、その後のステップメールを通じて「デモを再度見るように促す」形で実施しています。最初は全体像を伝えるシナリオを渡し、その後はコンテンツを分け、お客様の利用状況に合わせて「発注」「請求」「パートナー」といった個別のデモを週次で送っています。
谷本様:定量的な成果として、導入から3か月以内で、セルフオンボーディング対象のお客様の82.2%が「契約・発注・請求・支払」という業務プロセスを自走で完了しました。これは、単に操作や設定をしただけでなく、実際に取引を開始し、請求や発注といった具体的な業務操作まで行えていることを意味します。 人手に頼らずここまで活用が進んだのは、我々にとっても大きな驚きでした。
この目標は、2か月以内で50%、3か月以内で75%という、当初はかなりストレッチな目標として設定していました。セルフオンボーディング自体が当事業部(freee業務委託管理)にとって初めての試みであり、人の支援なしでこの高い達成率を実現できるとは正直信用していなかったため、この結果は非常に喜ばしいものです。
定性的な成果としては、特にフリーランスユーザー向け説明会を自社で行う企業様から大変好評をいただいています。以前は人が最大120分かけてWebで説明していましたが、PLAINERのデモコンテンツがあることで説明が非常に容易になりました。
また、社内の他のプロダクトチームからも良い反響がありました。お客様の実際の操作を追体験できる点が評価された他、デモ画面から特定の要素を非表示にできる機能が「使えない機能が見えていると、お客様に誤った認識を与えてしまう」という課題を解決し、正しい情報提供に繋がったと好評です。
デモ設定画面をチェックしている谷本様
近森様:今後、PLAINERを活用して特に注力していきたい点が二つあります。
一つは、新機能の認知拡大と活用促進です。現状、新しい機能の仕様はプロダクト画面上で確認できます。一方でユーザーアンケートを取った結果、新しくリリースした機能や活用いただきたいイチオシ機能の具体的な価値や操作感がお客様に十分に伝わっていないという課題が見つかりました。今後は、PLAINERで作成したデモ画面を拡充し、具体的な操作感や機能の効果を伝えることで、お客様へのデリバリーを強化したいと考えています。また、ユーザーアンケート内で取得しているNRSへの寄与度も確認していきたいです。
二つ目は、オンボーディングのさらなるスピードアップです。現在はステップメールでのデモ配信が主ですが、将来的にはプロダクト内、特にログイン後の見えやすい位置にチュートリアルとしてデモを埋め込みたいと考えています。これにより、お客様がサービスにログインした後、次に何を操作すべきかすぐに理解できるような体験を提供したいです。
さらに、今回の成功を基に、オンボーディングに課題を持つ他の新規プロダクトへのPLAINER展開も検討していきたいと考えています。
近森様:オンボーディングの成功における成果測定は、多くのSaaS企業にとって非常に難しい課題です。目標設定すら難しいケースも少なくありません。しかし、PLAINERを導入したことで、セルフオンボーディングという初めての取り組みにおいて、具体的な目標を上回る成果を達成することができました。
PLAINERは、説明時間の削減だけでなく、お客様の「理解」「活用」「成果創出」までを一貫して支援してくれる強力なツールとなります。
オンボーディングの成功に課題を感じている企業様は、ぜひPLAINERの導入を検討してみてください。
社内風景
今回のフリー株式会社様の事例は、SaaSプロダクトにおけるセルフオンボーディングの難しさを乗り越え、目覚ましい成果を上げた好例だと感じました。
特に、定性的な顧客満足度の向上だけでなく、「導入開始3か月後、デモ以上の操作完了率82.2%」という具体的な数値目標をクリアしたことは、PLAINERの導入価値を明確に示しています。これは、多くのSaaS企業が抱える「オンボーディングの成果を測りにくい」という課題に対する、一つの確かな解を示唆しています。
PLAINERのトラッキング機能やデモコンテンツの柔軟性が、単なる情報提供を超え、顧客の深い活用を促す原動力となっていることが伺えます。今後、新機能の認知拡大やプロダクト内での活用が進むことで、さらなるお客様体験の向上が期待されます。
本事例が、貴社のオンボーディング戦略を考える一助となれば幸いです。